2009年12月15日火曜日

習近平中国国家副主席来日に際しての声明文


12月14日から、中国の次期国家主席と目される習近平国家副主席が、3日間の日程で来日する。私達、日本ウイグル協会は、今回の習近平国家副主席来日に際し、7月5日、ウルムチで発生したあの惨劇を想起せざるを得ない。

 今回来日する習近平国家副主席は、本年7月、胡錦濤国家主席がG8サミットに出席し不在の中、その代役の任にあたっていた。そして、その期間中の7月5日、ウルムチ事件は発生した。そのウルムチ事件の対策チームのトップとして、指揮を執ったのが、今回来日する習近平国家副主席なのである。習近平国家副主席は、対策チームにも慎重論が起こる中、「どの民族が起こそうが、暴力事件には徹底して対処する」と発言、徹底した武力鎮圧を主張したのである。その結果、当時の王楽泉新疆ウイグル自治区書記を始め、地元の武装警察の暴走を許し、多くの人命が失われることになった。
 では、7月5日、ウイグル人は漢人を襲撃したりするなどの破壊活動を行うためにデモ行進を行ったのだろうか。習近平国家副主席が主張するような、「暴力事件」であったのだろうか。決して、そうではない。

 事の発端は、6月26日に広東省の玩具工場で発生した漢人によるウイグル人襲撃事件にある。その後、7月5日のウルムチで行われたデモ行進は、この事件の真相究明と犯人の逮捕を訴えるために行った平和的なデモだったというのが、紛れもない真実である。それは、集まったウイグル人が手にした中国国旗が証明している。ウイグル人は、デモ行進が反政府運動ではないことを、手に携えた中国国旗に託したが、この確固たる意思表示は、武装警察の水平射撃の前には通じなかったのである。

 中国政府の公式発表では、ウイグル人の死者は197人となっている。しかし、実際には前述したような武装警察の無差別発砲や、漢人による襲撃により、数千人規模の犠牲者が出ているのである。この行為は、「弾圧」以外の何物でもない。もっとも、習近平国家副主席の決断如何によっては、ここまでの犠牲者が出ることは無かったであろう。この点からも、日本ウイグル協会は、習近平国家副主席に対し、明確に抗議の意志を表明する。

 7月5日の事件から5ヶ月が経過したが、ウルムチの事件はまだ終わってはいない。11月9日には、ウルムチの事件で逮捕・拘束され死刑判決を受けたウイグル人ら9人に死刑が執行された。そして、今もなお、多くのウイグル人が捕えられたままになっており、死の淵に立たされている。

 日本ウイグル協会は、習近平国家副主席に対し、逮捕・拘禁されているウイグル人の即時釈放を求め、さらに、事件の真相究明の為、国連調査団の受け入れを要求する。

 中国の次期国家主席と目される習近平国家副主席は、このような人権問題の解決を図り、抑圧される全ての人々に多様な自由が与えられない限り、未来における中国の真の発展は断じて無いことを認識しなくてはならない。

 以上、習近平国家副主席の来日に際した、日本ウイグル協会の声明文とする。

日本ウイグル協会


鳩山内閣総理大臣に向けた要望書

 日本ウイグル協会は、12月14日に来日予定の中国・習近平国家副主席の来日に際して、習副主席と会談予定の鳩山内閣総理大臣に対し、以下の点を要望致します。

 習近平国家副主席に対し、7月5日、ウルムチで発生した事件の真相究明、現状把握の為、政治的に中立な第三者機関、又は国連調査団の受け入れを求めること。

 嫌疑不十分にも関わらず、逮捕・拘禁されているウイグル人の釈放を求めること。

 以上、二点となります。

今回、来日する習近平国家副主席は、本年7月、胡錦濤国家主席がサミットに出席し不在の中、その代役の任にあたっておりました。その期間に発生したウルムチでの事件において、習副主席は、慎重論が起こる中においても武力鎮圧を主張し、結果として当時の王楽泉新疆ウイグル自治区書記を始め、地元の武装警察の暴走を許し、多くの人命が失われることになりました。

 7月5日にウルムチで発生したデモ行進は、6月26日に発生した広東省の玩具工場でのウイグル人襲撃事件の解決を訴える、「暴動」とは程遠い平和的なものでありました。しかし、武装警察の無差別発砲などで多数のウイグル人が死亡し、逮捕・拘束されたウイグル人ら9人に死刑の判決が出され、11月 9日にその刑が執行されたことは痛恨の極みです。

 日本国は、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める国際社会において、その名誉ある地位を占めたいと憲法で宣誓している国家であります。
 鳩山内閣総理大臣におきましては、この日本国憲法に則り、ウイグルでの武力鎮圧を事実上容認した習近平副国家主席に対し、国際社会を構成する一員として、列挙した事実とその責任を問い正すことを、ここに要望致します。


日本ウイグル協会
http://uyghur-j.org/index.html

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